~ for all pet owners ~

パグのテンとの出逢いと別れ

2016-09-09
Pocket

Small black puppy pug

 

子供のときに大きな犬に吠えられてから、ずっと犬が苦手でした。

どんなに小さな犬でも、私にとっては恐怖の対象でしかなくて、いつしか動物が苦手になっていました。

 

そんな私に転機が訪れたのは、小学校4年生の春。

ジャンケンに負けて、一番嫌だった飼育員になったときのことです。

当時の小学校では「うさぎ」しか飼っていなかったけれど、その世話をしている間に動物の可愛さが分かるようになり、12月の誕生日には母に「ペットを飼いたい」と言うまでになっていました。

 

動物が苦手だったことを知っていた母は、私の変わりように目を丸くして、「お父さんに頼んであげるわね」と喜んでくれました。父も喜んでくれて、すぐにショッピングモールにあるペットショップに連れて行ってくれました。

 

そこで出会ったのが、雌のパグである「テン」でした。

 

テンには少し変わったクセがあって、赤ちゃんのハイハイのように後ろ足を引きずる仕草をしていました。

もちろん、足が悪い訳ではありません。

楽しんでやっているらしく、ウチに連れて帰ってからもそうしていました。テンに出会ったとき、その仕草が可愛くて私は一目で気に入っていました。

 

そうそう、テンの名前の由来は「おでん」です。

テンを連れて帰るときに、コンビニで買った「おでん」にスゴク反応していて、

ウチの夕食におでんがよく出るようになったのもそれから。とにかく、テンは私の可愛い妹になりました。

 

私もテンとよく遊びました。

パグのよく首をかしげる姿を見たことがある方も多いと思いますが、テンも同じで、私が「この問題、分かる?」って聞くと、決まって首をかしげる仕草をする。

それが面白くて、私は学校から帰ると、テンと一緒に宿題をするようになっていました。

そのおかげで、勉強が苦手にならなかったのかも。

 

そう思うと、テンには感謝……しかありません。

 

中学、高校と進学すると、部活や友達と遊ぶことが多くなっていきました。

テンと遊ぶ時間は少なくなっていきましたが、私が帰宅すると、テンはいつも出迎えてくれました。

そのときの喜ぶ顔と鳴き声は、今でも忘れられません……。

 

短大に進学してからは自由な時間も増え、テンと一緒に近くの公園に出かけることも多くなりました。

色んな犬が集まっていて、ボールで遊んだり、縄跳びを引っ張りっこして遊んだりしました。

遊びに来ていた他の犬と駆け回るテンは、とっても楽しそうだったなぁ。

 

公園への散歩は、私が就職してからも続きました。

日頃の運動不足解消のために、仕事が休みの日にはテンと一緒に遊びに出かけました。

ある日、コンビニでおでんを買っていた男性に飛びついたときには少し慌てました。

だけど、その男性も動物が大好きで、ホッと一安心。

その彼と付き合うことになったので、この出会いもテンのおかげ。

テンを連れて彼とデートしたこともあるし、今も続いています。

 

そんな楽しい毎日も長くは続かず……辛い毎日が始まりました。

 

ある日、ちょっと元気がなかったテンをお世話になっている動物病院に連れて行くと、獣医師の先生が「詳しい検査をしてみるね」と言うのです。

急に不安になってドキドキしていると、やがて獣医師の先生から病名が告げられました。

 

それは「ガン」でした。

 

そのときのテンは14歳で、腫瘍の手術をするにはギリギリの年齢と言われたのです。

もちろん、それでテンが元気になるならと思って手術の決断をしました。

 

手術は成功しましたが、再発する危険性があると言われてしまいました。

 

また、テンは高齢でもあったので、再発すると次の手術は難しいかも知れないとも言われました。

それからは、テンが再発しないように食事にも気を遣うようになりました。

健康に良いサプリメントを取り入れたり、適度な運動をさせたりしました。

父や母や彼に支えてもらいながら、テンの健康を気遣う日々でした。

 

でも、私の願いは届きませんでした。

 

間もなく、テンは腫瘍を再発してしまったのです。

高齢のテンは手術に耐えられるだけの体力がないと言われました。

抗がん剤による治療や服薬治療をしましたが、あまり良くなっているようには見えませんでした。

普段はぐったりして寝ていますが、私が近づくとじゃれるような仕草を見せていました。

だから、私も精いっぱいテンを可愛がっていました。

体をなでてあげたり、辛そうなときにはドッグフードを柔らかくしたものを口まで運んで食べさせたりもしました。

だけど、段々と食べられなくなって、最期には私がスプーンで少量を一口、一口……「お願いだから食べて!」と願うような気持ちで口に運んであげていました。

 

テンの辛そうな姿に我慢できなくなり始めた頃、獣医師の先生から「痛みがひどくなっているから、安楽死させてあげた方が良いかもしれません」と言われました。

 

安楽死・・・そんな決断は私にはできません。

 

当然のように断ってしまったのですが、毎日、毎日……苦しそうな顔で声を漏らしているテンを見ていると我慢できなくなり、1ヶ月間悩んだ末に安楽死を決断しました。

 

テンのお葬式でも涙が止まりませんでした。

16年一緒だった妹ですから、簡単に割り切ることはできません。

 

だけど、お葬式のあとで部屋に写真を飾ったとき、彼がテンの写真を見て「テンがいたから、キミと出会えたし、別れは辛いけど、テンがくれた思い出と別れる必要はないんだよ。だから、テンがくれたプレゼントのことを大切にしよう」とつぶやきました。

 

確かにその通りでした。

テンがいなくなるのは辛いけど、それ以上にたくさんの楽しい思い出や優しさをテンはくれました。

だから、ペットロスを辛いだけと思わずに、ペットが与えてくれた思い出を大切にしなければいけないと今は考えるようになりました。

 

同じような経験をされている、現在苦しんでいる方にあなたがもらった多くのプレゼントを忘れないでと伝えたいと思います。

Fotolia_116895292_Subscription_Monthly_M

 
Sponsored Link




 

Copyright (C) 2018 ペット会議 All Rights Reserved.